【徹底考察!】カグラバチ第一巻にちりばめられた伏線や謎

考察

2024年の「次にくるマンガ大賞」で堂々の一位に輝いた漫画、『カグラバチ』

ポイント数101,836ポイントという高得点をたたき出し、二位と7万近い差をつけて受賞したこの作品を、今回は徹底考察してみたいと思います。

今注目のビックスター作品。楽しみですね。

この作品の一巻の構成はコチラ

無駄のない素晴らしく完成度の高いシナリオ構成!

・一話 ”すべきこと” → 日常から非日常へ
・二話 累累 → 戦いの動機と目的
・三話 目撃者 → 手がかりを求め、舞台は東京へ
・四話 妖術と妖刀 → 妖術師との戦闘
・五話 ごちそう → 妖刀”刳雲”を求めて、最初のボス・双城登場
・六話 平穏 → VS.刺客・土使いの妖術師
・七話 狼煙 → 国に雇われた妖術師集団・”神奈備”との邂逅
・八話 円 法炸~俺は変わるんだ~ → 円 法炸~爆死~

それではひとつずつ解説していきます!

一話 ”すべきこと” → 日常から非日常へ

記念すべき第一話。

ここには様々な謎がちりばめられています。

なぜチヒロは父親と二人暮らしなのか?

   

出典:カグラバチ一巻 

ここからは読んだことがあることを前提に話を進めていきます。

まず最初に疑問に思うのが、なぜ父親と二人暮らしなのかということ。

母親はどこにいるのか? どうしていまはいないのか? 生きているのか死んでいるのかなど様々な部分が謎に包まれています。

ただし、僕の予想としては母親は生きていると思っています

もしも死んでいるのであれば、一話の中に仏壇に手を合わせるシーンを描くと思うのです。

ですが、可能な限り一話の中でチヒロの見せ場を詰め込もうという狙いも透けているので、単に割愛したという可能性も考えられます。

それでも背景などで仄めかさないというのも妙な話。

もし死んでいるのであれば微かに仏壇などを描きそうなものですがそれもない。

それどころか写真の一つもありません。

キッチンなどに棚があるので飾れる場所はいくらでもあるのですが、家族写真らしきものがひとつも見当たらないのです。

靴箱の上も寂しげです。

調理器具など背景の描き込みが雑なわけでもなく、むしろきっちりと描かれているからこそ、あえて家族に関する情報を伏せている意図が見えてきます。

母親に関すること。

今後明らかになってほしいですね。

15年前の戦争とは?

冒頭で六平家を訪問してきた柴が15年前に終結した斉廷戦争について触れています。

15年前といえばチヒロが産まれた年になります。

規模や戦争の経緯などは触れられていませんが、チヒロの父親である国重はその戦争で兵士よりも名を挙げた英雄として人々に認知されているそうです。

ここで疑問に思うのが、なぜ刀鍛冶がそれほどまでに称えられるのか、ということです。

普通に考えて武器を作る職人が兵士よりも英雄視されることなどあるでしょうか。

もしあるとすればそれは、ダイナマイトを作ったノーベルや戦車を開発したチャーチル、ガトリングを実用化まで導いたリチャード・ジョーダン・ガトリング並みの功績だと言えるでしょう。

考えてみればカグラバチの世界観は現代に非常に近いです。

それはキャラクターの服装や、冷蔵庫や電子レンジなどの家電を見ればわかります。

技術レベルが現代に近いということは当然武器も現代に近いはずで、前述のダイナマイトや戦車などもあることでしょう。

にもかかわらず、国重は戦争の英雄と呼ばれる刀鍛冶だった。

つまりこれは、国重の作る刀がダイナマイトや戦車などよりもずっと強力な兵器だったからだといえます。

国重はそれまでの戦争を変えてしまうような、とてつもない「発明」をした人物なのです。

爻龍組(ヤクザ)に協力している毘灼とはどんな組織?

ここから38か月後になります。

舞台は東京。

爻龍組というヤクザが町を暴力で支配しています。

その裏には毘灼という謎の組織が絡んでおり、国重を失ったチヒロと柴は毘灼への手がかりを求めて爻龍組に接触を試みます。

爻龍組は単なる噛ませ犬だとして、物語において重要なのは毘灼という組織の存在。

町を牛耳る爻龍組の組長でさえも毘灼には逆らえません。

ヤクザの組長相手にお説教をかますほどの権力を持ち、右手には炎の紋章が刻まれた謎の人物。

おそらく幹部クラスであろうこの人物は、松の木(盆栽?)を操っているかのような描写があります。

同時に、体に火が灯って瞬間移動をする能力が確認できました。

毘灼とヤクザの関係は、ヤクザが毘灼に上納金を支払う、そのかわり毘灼はヤクザが町で好き勝手振舞うことを許しているという関係だと想像できます。

毘灼の幹部らしき人物が、「これさえ払ってくれれば仕事のやり方に口出ししない」と発言していることから想像できます。

以上のことからわかるのは下記の三つ。

・毘灼はヤクザよりもビビるほどの組織
・松の木を操り、瞬間移動する能力者がいる
・金を集めている

と、なります。

ではなぜ金を集めているのか?

組織の運営のためなのか、もっと大きな理由があるのか。

それは今後、明かされることでしょう。

淵天の三匹の金魚の能力は?

   出典:カグラバチ一巻

第一話終盤でチヒロが使った技、「淵天」。

一話の時点で確認できるのは黒の金魚と錦の金魚が彼の周囲に浮かんでいる様子。

そしてひたすらぶった切られるヤクザたち。

詳細な説明は二話以降に明かされるのですが、ここでざっくりと能力を解説いたします。

・「淵天・涅(くろ)」 → 斬撃を飛ばす攻撃的な玄力
・「淵天・猩(あか)」 → 防御と吸収を行うガードカウンター
・「淵天・錦(にしき)」 → 玄力を纏う身体能力強化

淵天の能力のモチーフとなっているのは、一話冒頭でチヒロの父親である国重が買ってきた三匹の金魚です。

なぜ妖刀を使うと金魚がでてくるのか?

柴の言葉によると「妖刀は込めた玄力を増幅させ、人体では生成・保持できないほど超高密度に練り上げる。するとそれは剥き出しとなり、形を成す」とのことです。

つまり淵天発動時に出現する金魚は、チヒロの玄力の塊ということですね。

それにしても、涅で敵をぶった切るシーンがかっこいい!

38か月の間にチヒロに何があった?

顔に傷が増え、暗い雰囲気になったチヒロ。

ことの発端は二話で明かされますが、普通の少年だったはずの彼が数十人のヤクザを制圧するほどの戦闘力を身に着けた理由については不明です。

師匠がいたのか? それとも独力でここまでの力をつけたのか?

少なくとも妖刀が貴重な存在であることから考えても、ほとんど独力で修行したのは間違いないと思います。

しかし、剣術に関しては師匠がいたのではないでしょうか。

チヒロは、三年前まで刀を鍛える修行はしていましたが、刀を振るうことに関しては全くの素人だったはずです。

それがたった三年でばっさばっさと人を切り倒すほどになるには、少々才能が溢れすぎです。

なにより、相手が悪人と言えども躊躇なく人を切り伏せるメンタルは容易く鍛えられるものではないのではないでしょうか。

戦闘に関して、精神的な道しるべとなる人物がいたと考えるのが妥当です。

チヒロが急激に大人びたのもその人物の影響なのではないでしょうか。

二話 累累 → 戦いの動機と目的が明かされる

二話は一話の補足的な意味合いの話になります。

主に組長を追い詰めるシーンとチヒロの実家が襲撃されるシーンが目立ちます。

しかし、ここにも伏線がちりばめられています。

妖刀の本領

爻龍組の組長を倒した後、柴は「まだまだ妖刀の本領に達していないとはいえ」と考える描写があります。

これは妖刀には玄力の具現化以上の、さらに次の段階の能力がある可能性を示唆しています。

現時点でも強力な能力をもっている妖刀ですが、その数は6本+チヒロが持つ1本しかありません。

つまりたったそれだけの数で、戦争を終結に導くほどの戦闘力を持っていたということになります。

これからどのような能力が開花していくのか楽しみですね。

なぜ隠れ家がバレたのか

チヒロの過去のシーンで、柴が「なんでこの場所がバレたんや……」と内心で焦りを見せていました。

これは国重の居場所がバレるのは想定外のことだったと示唆しています。

しかし、バレてしまった。

そのうえ襲撃まで許してしまったのです。

いまのところ柴以外の人物が六平家に出入りしていた描写はないのですが、国重自身は町で金魚を買ってきたりとわりと自由に出入りしているようでした。

現時点ではなぜバレたのかは明かされていません。

三話 目撃者 → 手がかりを求め、舞台は東京へ

   出典:カグラバチ一巻

三話は新たな章への繋ぎの話。

日本は刀社会

冒頭からいきなり新登場のヒナオが登場し、「知っての通り日本は刀社会」と発言しています。

刀社会と言えばはるか昔にジャンプで打ち切られたとある名作漫画が想起され……げふんげふん。

なぜ日本が銃社会ではなく、刀社会になったのか。

それが謎です。

歴史の授業を真面目に受けている人ならわかると思いますが、日本は豊臣秀吉によって発令された刀狩令によって武士以外の身分から刀を奪いました。

にもかかわらずカグラバチの世界では一般人でも帯刀を許されている。

このことから考えられることは二つ。

1.豊臣秀吉が存在しない世界線
2.武士の力が強く、海外の列強にも屈せず、大政奉還などが発生しなかった世界線

後者は武士の血筋が広まったことで刀を持てる人口が増えた、もしくは海の向こうの脅威に立ち向かうために農家や商人も刀を持たざるをえなかったというパターンが考えられます。

この先、カグラバチの歴史が明かされる日はくるのか。

それは謎です。

四話 妖術と妖刀 → 妖術師との戦闘

いよいよ戦闘シーンです。

玄力とは生命エネルギー

柴の解説によると、「玄力とは生命エネルギー」なのだそうです。

全ての人間に眠っている力で、だれにでも扱える力なのだとか。

生命エネルギーなので、食事をしたり睡眠をすれば回復するものに感じられますが、一度に使用しすぎると命にかかわる力であるとも考えられます。

チヒロが戦闘後に、過度に疲弊するのもこれが原因だったのですね。

五話 ごちそう → 妖刀”刳雲”を求めて、最初のボス・双城登場

またしても戦闘を予感させる話です。

柴の能力とは?

柴が前話で戦った爆弾魔・円 法炸を尋問するシーンがあります。

ここでは、柴が円の爪先を踏みつけ、床ごと粉砕する描写がありました。

柴はこれまで瞬間移動やナイフ投げなどは披露していましたが、ここにきて新たな能力を感じさせる描写となっております。

それとも、瞬間移動の能力の応用なのか、柴の能力の全容についてはいまだ謎です。

六話 平穏 → VS.刺客・土使いの妖術師

なにげに重要な伏線が張られた回です。

戦争経験者が語る、妖刀の真価

双城の刺客は、18年前の戦争経験者でした。

そこで妖刀のすさまじさを目の当たりにしているようで、当時の状況を表す一コマには、氷の柱が立っていたり溶岩が噴出したり空にビームが放たれたりしています。

なにをいっているのかわからないかもしれませんが、とにかくそうなのです。

妖刀は自然現象を操る能力を秘めていることがここでわかります。

再生能力を持つシャル

シャルの再生能力が明かされるのもこの回です。

このような不思議な能力を持った人物は今後も登場します。

カグラバチの世界では妖刀使いや妖術師の他にも、このように特殊な能力を持った人間が存在するようです。

七話 狼煙 → 国に雇われた妖術師集団・”神奈備”との邂逅

ここでは柴の経歴について少しだけ明かされます。

国を守護する神奈備

刺客の残党からチヒロを救い出した薊。

彼は戦後に発足した組織・神奈備の一員です。

神奈備は「国の脅威となるものの排除」を目的とした組織のようで、個人的な人助けはしない主義のようです。

このことから、国が抱えている「暴力装置」のような存在だと伺えます。

柴は元神奈備

柴と薊の会話の中で、柴は「辞めてよかった」と発言していることから、彼が元神奈備であることがわかります。

辞めた理由や経緯についてはこれから明かされることでしょう。

八話 円 法炸~俺は変わるんだ~ → 円 法炸~爆死~

円 法炸が爆死する回です。

双城は大勢の死を見てきたことがトラウマ?

最初のボス・双城が精神感応攻撃を受けた際、彼の脳裏には血まみれで吊るされた大量の人間が見えていました。

チヒロの時には、彼のトラウマが脳裏に浮かんでいたことから、双城にとってこの光景はなにかしら意味のあるビジョンである可能性が高いです。

双城の姿が幼いことからも、幼少期の彼には大量の死と直面するような経験があったのではないでしょうか。

まとめ

いかがだったでしょうか。

いやしかし、カグラバチは本当に面白いですね。

一巻の時点でぐいぐい惹き込まれます。

というかもう、刀がかっこよすぎます。

あの有名な一流の漫画家を目指す漫画でもいっていましたよね。

刀をだせば売れる!

それでは、よしなに。

 


 


 

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